手足雑巾がけ対決、決着つく

 手を使った昔ながらの雑巾(ぞうきん)がけと、最近の家庭で増えていると言われる足による雑巾がけは、どちらが優れているのか――長期の論争に決着をつける勝負が12日、群馬県民体育館で行われた。

 「手掃除派」の代表は主婦歴18年の杉田佳代子さん。夫は警察学校で剣道場の床掃除係を25年にわたり務めており、手を使った雑巾がけは、掃除、体力増強、精神鍛練の三拍子がそろっていると信じている。これに対し、「足掃除派」の代表に選ばれたのは大学2年生の大野健さんだ。昨年の大学入学とともに地方から上京。現在フローリングのワンルーム・マンションに住んでおり、2カ月に一度の雑巾がけのさいには、意識することなく足が伸びるという。

 勝負が始まる前の関係者の予想は、「手が有利」。昔からの伝統である手を使った雑巾がけには、それなりの合理的な理由があるはずというのが根拠だった。世界的にみても、足を使った掃除の文化はほとんどない。

 ところが、号砲とともに始まった雑巾がけは、立ったまま体重を雑巾にかけることができる「足掃除派」の大野さんが終始優勢で、200平方メートルの床を18分23秒でふき終わった。「手掃除派」の杉田さんは、床に膝をつき、立ち上がりこそ快調なペースで雑巾を手で動かしていたものの、無理な姿勢がたたり次第にペースダウン。大野さんに約12分遅れの30分5秒でようやくゴールインし、腰痛のためそのまま病院に運ばれた。

 しかし、勝敗を決めるのはスピードと審査員による評価の総合点。計算の比重はそれぞれ4割、6割だ。大学家政学科の教授や生活評論家などの審査員は、「足掃除派」の大野さんを「真剣さが感じられない」「生活をなめている」などと厳しく批判。逆に「手掃除派」の杉田さんは腰痛に歪んだ苦しみの表情さえも「懸命さが伝わってくる」と高い評価を得た。総合点では杉田さんがきん差で大野さんを振り切り、雑巾がけには足よりも手のほうが適しているとの結果が出た。

 敗れた大野さんは「足掃除の良さが伝わらなかったのは残念。次回はマンガを読みながら、電話をかけながらではなく、皿回しをしながらの足掃除で真剣さをアピールしたい」と語り、早くもリベンジに燃えている。

カテゴリー: 社会 パーマリンク