コロナ禍で虚無僧拡大活動に注力

 新型コロナウイルスが宗教界にも影響を及ぼす中、感染拡大のリスクが宗教家の中で最も低いと言われる虚無僧が、勢力拡大を目指した活動を本格化させる。これまで若者に敬遠される最大の理由とされてきた深編笠の存在を逆手に取り、他の宗教よりも衛生面で有利であることを強くアピールしていく方針だ。

 9日、東京都内のホテルで開かれた新コスチュームの発表イベント。司会者の高らかな宣言とともにステージ上に現れたモデル役の虚無僧2人が被る深編笠は、後頭部の部分にバッテリー駆動のファンとフィルターが装着されている。

 イベントを主催したのは日本最大の虚無僧団体、一般社団法人日本虚無僧協会(日虚協、本部東京)。その開発部長を務める山木卓氏は「N95マスク相当のフィルタを使用しており、新型コロナウイルスの吸入量をフィルター不使用の場合と比較して10分の1程度に減らせる。強制換気を行うことで熱が深編笠内部にこもらないのも強みだ」と力説する。

 日本ではお盆の帰省時期に合わせて寺院の僧侶が檀家めぐりをしたり、墓で読経するのが通例だったが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、マスク着用のままでの読経やオンラインでの墓参りが推奨されるなど、宗教界にも大きな影響が出ている。山木氏は「虚無僧こそが新しい時代に勢力を伸ばしていける信仰のかたちを備えている」と指摘する。

 しかし一部の托鉢先では、虚無僧が尺八を吹く際に唾液の飛沫が飛散してウイルスが拡散するのではないかとの懸念の声も上がっている。このため日虚協では口を使う必要がないアコーディオンの使用が可能かどうかを調査する実験を開始した。「曲目にも注意を払い、アコーディオンに付き物のモンパルナス臭をできるだけ薄めたい」(山木氏)

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