タックスヘイヴン、特典競争が過熱

ケイマン諸島、バミューダ諸島など世界各地のタックスヘイブン(租税回避地)の間で、多国籍企業や富裕層の奪い合いが激しさを増している。税率引き下げはすでに限界に達していることから、今後は特典の豪華さが競争の焦点となりそうだ。

この夏、アイルランド政府からスターバックス英国法人の役員自宅にギネスのビール詰め合わせが届いた。スターバックスでは英国内で上げた利益を法人税率の低いアイルランドに移して節税してきたが、さらに税率の低い他のタックスヘイブンに乗り換えるとの情報が流れていた。突然のプレゼントはスターバックス幹部の心をアイルランドにつなぎとめておくのが目的とみられる。

一方、欧州のタックスヘイブンとして知られるルクセンブルグも、新規の節税者にチョコレート菓子、高級白ワインを提供する新制度の導入を発表した。ルクセンブルグの当局者は「他の地域に多国籍企業や富裕層を奪われないために、目に見える特産品を提供する『ふるさと脱税』制度は不可欠」と指摘する。

一方で、ビールや菓子は魅力に乏しく、税金関連の特典としては海産物が最も望ましいとのとの声も根強い。グーグルやアップルなど米国の多国籍企業は日本の優遇税制について詳細な調査を行っており、両社からの働きかけを受けたフロマン米通商代表が、大詰めを迎えた日米間のTPP交渉の席上、福井県や鳥取県を免税特区に指定するよう要求する可能性も指摘されている。

カテゴリー: 経済 パーマリンク