「一票の格差」訴訟で初の和解成立

高松高裁が「一票の格差」をめぐる裁判で示した勧告に基づき、原告の弁護士グループと被告の選挙管理委員会が和解に達した。有権者数が少ない選挙区から、有権者数が多い選挙区に特産品詰め合わせを贈るなどの内容だ。原告側は「画期的な内容」と今回の和解を高く評価しており、長年の懸案だった「一票の格差」問題は根本的な解決に向けて大きく踏み出した。

昨年末の衆院選では、有権者の最も多い千葉4区と、有権者の最も少ない島根3区の高知3区の格差が2.42倍に達した。原告はこの状態が法の下の平等を定めた憲法に違反しているとして選挙の無効を主張。これまでに東京高裁、札幌高裁で下された判決では、選挙が違憲状態で行われたことは認めながらも、選挙無効の訴えは退けられている。

高松高裁の和解案は、選挙は違憲状態だったとの認識に立ち、かといって選挙を無効とすれば政治の混乱は避けられないことから、見返りとして千葉3区の有権者1人に対して高松3区から「さぬきうどん詰め合わせセット」を1箱ずつ贈るとの内容。「本場香川の有名うどん店の味が自宅にいながらにして堪能できる本格的なギフト。いりこだしをふんだんに使ったつゆもついてくることを計算に入れれば、最大8倍程度の格差も相殺する効果のある、事実上の勝訴だ」(原告代表の森純輝弁護士)

このほか高松高裁では、有権者が2番目に少ない長崎3区から有権者が2番目に多い神奈川10区の有権者に、「長崎名産かすてら・ちゃんぽん・からすみ詰め合わせ」を贈るよう勧告。神奈川10区では歓迎ムードが広がり、「過分なお心遣いに恐縮している。次の選挙では当選枠を返上してもいい」との声さえ出ている。

しかし、和解案が求めている、有権者が4番目に少ない福井3区から4番目に多い北海道1区への「訳あり越前ガニ浜ゆでパック」の提供については、名産品を受け取る側の他の選挙区で「訳ありとはいえ、優遇されすぎ」との見方が生じている。「法の下の平等を定めた憲法に違反するので無効」といった声も出ており、新たな火種になりそうだ。

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