DNAの信頼性崩れる? 自民党が懸念

最高裁判所司法研修所が年内にも、刑事裁判の証拠としてDNA鑑定結果をどう取り扱うかに関して、研究報告をまとめることが明らかになった。複数の裁判で、DNA鑑定に基づく判決が再審で覆され、鑑定結果の取り扱い方が議論を呼んでいるためだ。研究報告は今後の刑事事件の裁判や警察による捜査のあり方に影響を及ぼすとみられる。

司法研究所の動きに注目するのが自民党の若手・中堅議員。29日に党本部で開かれた勉強会には衆参議員約40人が参加し、席上では「DNAが受け継がれることは科学的に証明されている」「個別のケースのために原則が変えられるのはおかしい」といった意見が相次いだ。

政治評論家の中山秀平氏は指摘する。「DNAに頼ってきた勢力が日本に3つある。司法、中央競馬会、そして自民党だ」。党総裁は小泉純一郎氏から6代連続で「世襲議員」。政権を失った直後には世襲を制限するべきだとの声も出たが、最近ではベテラン議員が相次いで後継に息子を指名してから政界引退を宣言するなど、世襲回帰の傾向が強まっている。

世襲を正当化する重要な論拠が、DNA絶対主義だ。「著名な政治家だった父と同じ遺伝子を私も持っている。世間やマスコミが言うように私が愚かで、国会議員の器でないとすれば、父もまた国会議員の器ではなかった。見方を変えれば、国会議員と資質は関係ないということだ」と、ある二世議員は匿名を条件に開き直る。

中央大学法学部の望田隆准教授(刑事訴訟法)は、現在の自民党内の状況は、司法への一種の警告だと指摘する。「裁判で証拠として採用するなら厳重な証拠の保管と迅速なDNAの鑑定が絶対条件。政界における偉大な父と凡庸な子の関係からも、DNAの劣化が猛烈なペースで進むことは明らかだ」

カテゴリー: 政治 パーマリンク