私の妻は、ジャンケンが強いんです

昨日の夜のことです。子供がようやく眠ったあと、私は雑誌を読み、妻はゲラゲラ笑いながら、ケーブルテレビでやっていた香港映画を見ていました。

お腹が空いたので、「何かない?」と聞くと、妻はテレビの中のホイ三兄弟から目を離さないまま「冷蔵庫にチョコレートが入っている」と答えました。

私は台所に行き、チョコレートを持って寝室に戻りました。

それは、このへんのコンビニで売っている、ヨーロッパ製のちょっと高いチョコレートでした。ビニール袋のなかに、ゴルフボールくらいの大きさのが七つ入っていました。私は雑誌の続きを読みながらチョコレートを食べました。妻はやはり、ホイ三兄弟のオーバーなアクションを超えるようなオーバーなアクションで大笑いしていました。でも私は、ホイ三兄弟が妻のストレスを解消してくれるならそれも良いと思い、妻をとがめることなく雑誌を読み続けました。

しばらくして、チョコレートを取ろうとした私の手が妻の手に当たりました。私は3個を食べ、妻も3個を食べたので、残っているのは1個だけです。「ジャンケンで決めよう」と私が提案すると、妻はやはり笑いながら、「いいよ」と答えました。

私が「ジャンケン」と掛け声をかけると、妻は初めて私の方を見て、真面目な顔で「私、グー出すからね」と告げました。妻はいつもこういうことを言って、私を惑わせるのです。

私は考えました。

(向こうがグーなら、こっちはパーを出せば勝てる)。

しかし、こんな素直な手で勝てたことは今まで一度もありません。妻は、私がそう考えることなど、とっくにお見通しなのです。

そこで私は考えました。

(こっちがパーを出すと考えて向こうはチョキを出すから、こっちはグーを出す)。

しかし、妻は裏の裏を読んでいるかもしれません。ひっくり返って笑ってはいますが、妻には得体の知れない部分があるのです。私は思考を続けました。

(こっちがグーを出すと考えて、向こうはパーを出すから、こっちはチョキを出す)。

私はチョキを出しましたが、妻が出したのはグーでした。妻は最後のチョコレートを獲得し、すぐに食べてしまいました。

私はまたも、裏の裏の裏をかかれたようです。香港映画にバカ笑いしている様子からはまったくうかがい知ることはできませんが、妻は先読みの能力については天才的なものを持っています。

小さいころ、決して勉強ができるほうではなかったはずの妻が、どのようにして先読みの能力を身につけたのかはわかりません。ホイ三兄弟に秘密があるのかもしれないと思い、私もそのあと、妻と一緒に夜中の2時まで映画を見たのですが、凡人の私にはホイ三兄弟のコテコテのギャグを観てゲラゲラ笑うのが精一杯でした。

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