義理チョコの純度、2ケタアップ

 もうすぐ2月14日。世の男性と女性がそわそわする季節だが、その一方で、義理チョコを金銭的、精神的な負担に感じている女性もいる。なにも贈らなければ波風が立つ。ただそれだけのためにチョコを贈った男にあらぬ勘違いされてはたまらない。贈る側の女性がそう思うのは当然だが、わずかな兆しを拡大解釈してしまうのが贈られる側の男の本能だ。

 不愉快な誤解を避けるために発売されたのが「義理度99.99%」の国際チョコ連盟認定証付きチョコ。昨年話題になったのは「99%」だったから、純度が2ケタ向上したことになる。主原料は岩塩で、蒸し焼きにした豚の血液を塗って灰色に着色され、オニイボガエルの姿に成形されている。認定証がなければ、これがチョコであることさえわからない。

 意中の男性に贈る「本命チョコ」、女性同士で贈りあう「友チョコ」、男性から女性に贈る「逆チョコ」など、細分化が進むバレンタイン需要。菓子メーカー各社は数年前から新たなカテゴリーとして、わずかな好意も感じておらず、将来にわたってもその可能性が微塵もないことを積極的に伝えるための「無関心チョコ」の市場開拓に取り組む。「義理度99.99%」の売れ行き次第では、この新しい市場の規模が急拡大する可能性もある。

 部下のOLから「義理度99.99%」を受け取った会社役員の話を聞いた。「こんなくだらないものなら、くれないほうがいい。上司に向かって失礼だ。だいたいバレンタインなどというキリスト教社会の習慣は日本社会に……」。言葉は厳しくても、満面の笑みを浮かべさせるのに十分な効果を、0.01%の不純物が発揮しているように見えた。

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