縄文時代のスキップ跡を発掘

 奈良県煎山町の下原平遺跡で、約1万年前のものとみられるスキップの足跡が見つかった。縄文人の朗らかな性格を示す証拠として考古学者の間で注目を集めている。

 足跡は国道の幅員拡張工事の現場から発見された。1万年前には柔らかい泥だったとみられる地層に、約1メートルの間隔で「右、右、左、左、右、右」の順番で、13歳から14歳の少女のものと思われる足跡が約300メートルに渡って続いていた。

 発掘にあたった奈良古代文化研究所の村田勝也主任研究員によると、付近の地層からは、サクラと思われる植物の種が多数発掘されている。約1万年前は最後の氷河期が終わったころ。「久しぶりの春を迎えたこの地球で、サクラの花が咲き乱れるなか、縄文人の少女は心の中に湧き起こったえもいわれぬ感情に動かされるようにスキップを始めたのではないか」(村田氏)

 スキップの足跡の先には、泥に足を滑らせて尻餅を着いた跡と、それまでの進行方向から左に72度曲がった方向に、一転して小さな歩幅でとぼとぼ歩いていく少女の足跡も残っていた。村田氏らは近く学会で、縄文人にも「ばつの悪さ」の観念が備わっていた証拠として、下原平遺跡での発掘成果を発表する予定だ。

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