田中貴金属、食品精製事業に参入

 貴金属地金大手の田中貴金属工業は、新たに食品事業部を設立し、食品精製ビジネスに参入する。高所得者層の高純度食品需要を開拓し、新たな主力事業に育てたい考えだ。

 同社では第一弾として、精製した高純度カステラを今秋から販売する計画。現在、国内市場で販売されているカステラは、茶色くて香ばしいカステラ本体だけでなく、黄色い副生成物がその上に蓄積した状態で出荷されている。紙をはがすさい、カステラ本体もはがれてしまうため、口に入るのはほとんどが黄色い副生成物であり、購入者からのクレームが絶えなかった。

 田中貴金属では金や白金の精錬技術を活かして、現在は工場出荷時で2~3%程度に留まっているカステラ純度を、99.999%まで高める技術をすでに確立。紙と一緒にこのうち2%がはがれるとしても、98%近くが口の中に入る計算になる。価格は現在市場に出回っている商品の数十倍とみられるが、スプーンや前歯で紙からカステラをこすげ取る手間が省けることから、高所得者層には十分に受け入れるはずと、同社のマーケティング担当者は自信を見せる。

 食品業界に詳しい八王子経済大学の蒲島博美准教授は、「食品のなかに消費者が必要としていないものが多く含まれている現状に注目したのは画期的」と評価する。長年にわたり野放し状態が続いていた柿の種のピーナッツ混入問題が、ようやく解決に向けて動き出すのではないかとの観測も強まっている。

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