「自分探し」するカタツムリを発見

 シンガポール国立大学の研究者グループが、インドネシア・ボルネオ島中部のジャングルで自分を探すカタツムリを発見したと、英の学会誌「ジャーナル・オブ・エソロジー」の電子版で28日に発表した。ヒト以外の種で自分探し行動が確認されるのはこれが初めて。

 グループの中心となったショーン・チャン教授によれば、「カリマンタンニシキマイマイ」に近い種とみられるこのカタツムリは、求愛行動が失敗すると体から突き出た目をU字型に曲げて自分の体をまじまじと見つめるような行動をとる。「失敗にくじけて自らの存在価値を見失うと、誰でも自分探しをしたくなるもの。このカタツムリは胴体から突き出した目をひねって自分をもう一度素直に見直すことで、フレッシュな気持ちで明日に向かっているのではないか」と、チャン教授はみる。

 心理学者の間ではかねてから、自身の顔を肉眼では直接見ることができない人体の構造的な欠陥が、自分探し行動を誘発しているとの仮説をめぐって議論が繰り返されてきたが、チャン教授らの発見はこの議論にも一石を投じそう。カタツムリのように目を出したり引っ込めたりできるよう外科手術を施してヒトの自分探し行動を抑制する新しい臨床アプローチに道を開く可能性もある。

 なお、チャン教授らが自分探しをしているカタツムリの胴体をアルミ箔で覆って隠すと、すべての個体がジグザグの軌跡を描きながら移動を始めたという。ヒト以外の種で「自分探しの旅」行動が確認されるのも、これが初めてだ。

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