巨人選手の高額年俸、サンデル教授が抑制

 プロ野球チームの東京読売巨人軍(滝鼻卓雄オーナー)は、このシーズンオフの年俸交渉係として、ハーバード大学のマイケル・サンデル教授(政治哲学)を起用することを決めた。有力選手の年俸を抑制するには、サンデル教授の卓越した議論の力が不可欠と判断した。

 サンデル教授はハーバード大学での講義が人気を集め、社会現象にもなった。今年夏には来日して東京大学などで講義を行った。その際にサンデル教授が議論のテーマとして取り上げたのが「イチローの年俸は適切か」。講義のようすをテレビで見た読売グループ会長の渡邊恒雄氏がすぐに滝鼻オーナーに電話をかけて、「優勝を逃したら、年俸交渉はサンデルで行け」と指示を下したという。

 来季の巨人の戦力については、不調やケガで低迷したイ・スンヨプ、クルーンなどがすでに構想から外れていると言われ、焦点は年俸2億6000万円ながら今季0勝2敗に終わったグライジンガー。代理人との年俸交渉に先駆けてサンデル教授がハーバードの教室で学生の意見を聞いたところ、多くの学生から「今季リーグ最多登板の久保の年俸が2600万円。グライジンガーがその10倍ももらうのは、アリストテレスもカントもベンサムも正当化できないはずだ」といった厳しい意見が相次いだ。

 サンデル教授は11月下旬にも交渉のため来日する予定。テーブルにつく教授の背後には300人程度のハーバード学生がずらりと並ぶとみられ、高年俸の選手にとっては手強い相手となりそうだ。一方、資金力にものを言わせて他チームの有力選手を引きぬいてきた巨人のやり方に、サンデル教授らが「道徳」や「正義」の観点から批判の矛先を向けるのは時間の問題との指摘もある。

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