ひこにゃん論争、三つどもえの争いに

 大阪に学ぶノルウェー人留学生が、「ひこにゃんはノルウェー文化への侮辱」と主張し、デザインの変更を求めている。滋賀県彦根市の公式ゆるキャラであるひこにゃんについては、デザインをした人物と彦根市の間で法的なトラブルが起きているが、事態はさらに複雑化しそうだ。

 このノルウェー人留学生は、浪速産業大学工学部に2年のトリグブ・サルホルメンさん(21)。「ひこにゃんがかぶっている2本の角がついた兜は、私たちの先祖がかぶっていたヴァイキングの兜そのものだ」

 彦根市の公式見解によれば、江戸時代の彦根藩主が大木の陰で雨宿りをしていたとき、白猫を見つけて近寄ったところ、直後に大木に雷が落ちて難を逃れたとの「白猫伝説」がひこにゃんのデザインの由来。しかしサルホルメンさんは、この伝説は幕藩体制への同化という政治的な狙いから捏造されたものだと指摘する。

 「7世紀から10世紀にかけて、スカンジナヴィア半島から我々の祖先であるヴァイキングが多数の船に分乗して世界に散らばった。イングランド、アイスランド、ノルマンディー、キエフ、シチリア…。これらの地域で、ヴァイキング系の国家が形成された。大西洋、インド洋、太平洋を経て、琵琶湖の湖岸に漂着した船に乗っていたヴァイキングが建設したまちが、現在の彦根だとみて間違いない。だとすればひこにゃんは勇猛なヴァイキングの末裔であり、ゆるキャラとして描かれるのはノルウェー人に対する侮辱だ」

 ひこにゃんについて、彦根市とデザイナーの間で、それぞれが販売するキャラクターを「海賊版」と批判しあうなどのトラブルが起きていること、彦根市内で食べ放題形式のレストランが3軒営業していることも「ヴァイキング末裔説」の傍証になると、サルホルメンさんは力説する。

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