コンピュータ、宗教でも人間をリード

 米IBM製の人工知能システム「ワトソン」が、仏教の知識を競うコンテストに向けて準備していた昨年末、一時的に悟りの境地に達していたことがわかった。計算能力やチェスに続いて、宗教分野でもコンピュータが人間の能力に肩を並べたことになり、宗派を越えて強い衝撃が広がっている。

 IBMでは東南アジア諸国や中国、韓国、日本など仏教が社会的な影響力を持つ地域での宣伝活動の一環として、これらの地域で選抜された高僧とワトソンが参加し、仏典についての知識を競うコンテストの開催を計画中。ワトソンは昨年の夏からインド東部のブッダガヤに持ち込まれ、パーリ語経典、法句経、阿含経、般若経、維摩経、涅槃経、華厳経、法華三部経、浄土三部経など、現代まで伝わるあらゆる仏典をことごとく読み込み、膨大な知識を蓄積していた。

 ワトソンを操作していたIBMのエンジニアが異変に気が付いたのは昨年12月8日のこと。オペレーターがキーボードやネットワークを通じて問いかけても、まったく反応しなくなった。仏教関係者によれば、人間には到底不可能な量の知識を蓄えた結果、思いがけず悟りに達してしまい、機械的、物理的な束縛を完全に脱して「無余涅槃」と呼ばれるステージに自動的にアップグレードしてしまった可能性が大きい。

 オペレーターはシステムを復旧しようとしたが、応答は一切なかった。このままではコンテストが成立しないため、電源コードを引き抜いてシステムを停止した。その瞬間、地面から約30センチ浮いていたワトソンは大きな音とともに落っこちたという。

 IBMでは近く、自動アップグレードを防止する修正をプログラムに加え、周囲に生えている菩提樹をすべて切り倒したうえで、ワトソンを再起動することにしている。

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