ボージョレ・ヌーボー、久しぶりの人気

 17日午前0時、今年のボージョレ・ヌーボーの販売が解禁された。「100年に1度の凡庸な出来」という異例の評価が話題を呼び、全国のワイン販売店には長蛇の行列ができた。

 これまで、ボージョレ解禁日直前には「50年に一度の素晴らしい味」「史上最高と言われた○○年に匹敵する出来」「ワイン史上に残る素晴らしい香り」といった大げさな評価が毎年のように繰り返されてきたが、近年は消費者が逆に不信感をつのらせ、ボージョレを敬遠する原因となっていた。

 今年は春先から秋にかけてボージョレ地方の気候が平年なみだったことが影響し、生産者によればワインの仕上がりは「素晴らしいというわけでも、劣っているというわけでもない平凡な出来」(老舗ワイナリーのオーナー)。鑑定した専門家からも「まあまあ」「普通」「平均点」といった肯定的でも否定的でもない評価が相次いだ。誇大な表現を乱発したことへの反省も、これまでにない冷静な表現につながったとみられている。

 国内のワイン販売業者はこれを逆手にとり、「100年に1度の凡庸な出来」といったキャッチフレーズで需要の拡大を図った。この手法が「史上最高」に飽きた国内の消費者の心をつかみ、ボージョレ人気に久しぶりに火がついた

 業界関係者の間では、今後数年間は「100年に一度の凡庸な出来だった昨年に匹敵」「過去10年間、少しも代わり映えしないありきたりの出来」「特筆すべき没個性」といった宣伝でブームが維持されるはずとの楽観論が広がっているが、そんな手法もいつかは飽きられる日が来る。業界の一部では早くも「空前絶後の不出来なボージョレ」待望論がささやかれ始めている。

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