今年の漢字、受賞辞退の意向

 2011年の「今年の漢字」に選ばれたばかりの「絆」が、主催者の財団法人日本漢字能力検定協会に受賞辞退の意向を伝えていたことがわかった。1995年に賞が創設されて以来、辞退は前例がなく、関係者は対応に苦慮している。

 「絆」はこれまで公式声明を発表しておらず、辞退理由は謎に包まれているが、「絆」に近い関係者によれば、糸へんグループ内の微妙な力関係が影響している模様。糸へんは食へん、にんべん、金へんなどと並ぶ漢字の有力部首でありながら、昨年まで1字も「今年の漢字」に選出されておらず、グループ内で焦りが強まっていた。とくに2007年に「偽」が選ばれ、1997年の「倒」に続くにんべんで2つ目の「今年の漢字」となってからは、糸へんグループが水面下で検定協会への工作を強めていた。

 このさい、糸へんグループ側が推薦したのは「組」「紀」「紅」など、とくに使用頻度の高い3字。このうちグループ幹事を務めている「組」は広域指定暴力団との関係が指摘されたことから候補に上らず、2000年末の選考ではミレニアムとの関連で有力候補とされた「紀」についても、いまとなっては990年ほど時期尚早といった否定的な評価を変えることができなかった。「紅」は埼玉県内のサッカーチームと同じ運命をたどるように、早々とレースから脱落した。

 「絆」については、ここ数年使用頻度が高まり、「今年の漢字」のダークホース的な存在として注目を集めていたが、「縛」「紐」「縄」など、呪縛系漢字の仲間には「諸先輩を差し置いて私が受賞するなんてとんでもない」などと漏らしていたとされる。「今年の漢字」の発表後、「組」が外部勢力を通じて「絆」に辞退を働きかけたとの情報もあるが、「絆」「組」ともに取材には応じていない。

 「絆」と親しい「胖」は、「半がまえから初の受賞かと喜んでいたが、このようなことになり残念。先日の飲み会で『畔』さんや『判』さんととも、胸を張って受賞したらいいと薦めたのに……。『今年の漢字』に縁のない私のようなマイナーな漢字には理解しきれないが、いろいろと難しい大人の事情があるようだ」と残念がる。

 「絆」の受賞拒否を受けて、検定協会には昨夜から幹部らが集まり緊急会合を開いた。善後策として、選考で2位だった「震」を繰り上げ1位とする、「糸」と「半」が代理受賞する、揮毫した清水寺貫主に「字を崩しすぎた。あれは『絆』ではなく『胖』です」と強弁させる、などの案が浮上している模様だ。

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