虚無僧用編笠での金環日食観察は危険

 近く起きる金環日食について日本眼科学会は、虚無僧用の編笠を用いた観察は水晶体や網膜を傷める恐れがあると指摘、専用の日食グラスを用いて安全に観察するよう虚無僧たちに呼びかけている。

 今月21日、晴天なら東北南部から九州南部の広い範囲で金環日食が観察される。肉眼で太陽からの強い光を見つめ続けると、目に回復不可能なダメージを及ぼすおそれがあるが、虚無僧の間では編笠をすっぽりかぶり、隙間から太陽を観察すれば大丈夫との誤った情報が広がっている。同学会では、このままでは健康被害の発生は避けられないと判断、「編笠に太陽光をさえぎる効果はほとんど期待できない」との正しい情報を周知することにした。

 一部の虚無僧が信じている「尺八を望遠鏡の代わりに使って太陽をのぞけば大丈夫」という情報もデマ。安全な観察のためには、日食グラスを通して太陽を見つめるか、編笠の前半分を日食グラスで覆う必要がある。

 虚無僧については、1987年に日本鉄鋼溶接工業会が「編笠を使ったアーク溶接は目に深刻なダメージを及ぼす。溶接専用マスクが不可欠」との声明を発表しており、金環日食を機に編笠リテラシーの低さが改めて浮き彫りとなった。

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