中国電力が原発工事着手

 中国電力は8日、山口県上関町で上関原子力発電所の用地造成工事に着手した。構想浮上から27年、原発計画が実現に向けて動き出すが、周辺海域には天然記念物のカンムリウミスズメやイルカの一種であるスナメリが棲息しており、反対派は「生態系への悪影響を軽視した見切り発車」と反発を強めている。

 中国電力は過去に行った環境影響調査のなかで、平均体長が1.5メートル程度のスナメリが、放射能による突然変異で30メートルまで巨大化してしまうおそれがあることを認めているが、地元の原発推進派町議は「シロナガスクジラモドキ」と呼べば観光客の誘致に役立つと、大型化をむしろ歓迎する構えだ。

 一方、カンムリウミスズメ巨大化の可能性についても、中国電力は「航空自衛隊から『全長20メートルまでは対空ミサイルで迎撃する』との確約を得ており、原発建設の妨げにはならない」との見解を示す。

 しかし、遺伝子生物学の専門家によれば、突然変異は偶然に支配されるため、どんな変化が生物の体に生じるのかを事前に予測するのは難しい。巨大化したカンムリウミスズメが金属音でいななきながら季節や時間帯を問わず求愛行動に励むようになり、中国電力が負担する騒音対策費が膨らめば、原発の収益性評価が根底から覆ると危惧する声もささやかれ始めた。

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