クマムシはクマの遠い遠い親戚

 ドイツ・バイエルン州立大学の研究グループが、クマムシのゲノム解読を完了。これにより、クマムシがクマの遠い遠い親戚であることが初めて科学的に実証された。クマとアライグマのうちどちらがクマムシに近いかをめぐる論争に決着がついた。

 すでに解読されているクマ、アライグマのゲノムと比較すれば、クマムシとの共通部分はそれぞれ0.32%、0.30%となり、わずかながらクマとクマムシの類似性が、アライグマとクマムシの類似性を上回った。クマムシに関してはクマの専門家が、ソフトに見える形状を根拠にクマ遠戚説を提唱したのに対し、アライグマの専門家はアライグマの体長が55センチ程度と、50マイクロメートルのクマムシに相対的に接近していることから、アライグマ遠戚説を主張していた。

 クマムシの具体的な遺伝情報解析はこれからだが、すでにクマとクマムシの両方で発見されているZZZ.oO.ZZZ.oOという遺伝子は、環境変化に対応した睡眠の引き金になるとみられている。クマは食物が減る冬を乗り切るための冬ごもり、クマムシは周囲が乾燥すると樽状になり休眠する「乾眠」に、この遺伝子が深く関わっている可能性が高い。

 なお、クマとアライグマのゲノムの共通部分は56%に達している。あるクマムシ専門家は「クマ派とアライグマ派の感情的な対立は、一種の近親憎悪ではないか」と語り、双方と距離を置く姿勢を示している。

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