呼び名めぐり対立、富良野が3つに分裂

  呼び名をめぐる対立を収拾すべく開かれていた主要3派による交渉が期限の3日0時までにまとまらず、富良野が3つに分裂することが確定的となった。市町村の合併が進むなか、自治体の分裂は極めて異例だ。

 分裂後の富良野は、古くからの住民が多い「富良野」と、ドラマの影響で移住してきた住民が実権を握る「富良野」、そしてラテン系外国人を中心とする「富良野」に分かれる。文字にすれば同じだが、最初の富良野は「ふ」、次の富良野は「らの」をやや高く、強く発音し、最後の富良野は「ら」をやや強く、長く発音するのが違い。最初の富良野は「巣鴨」、次の富良野は「練馬」、最後の富良野は「アミーゴ」と同じテンポ、アクセントで発音するのが正則とされるため、それぞれ富良野(巣鴨派)、富良野(練馬派)、富良野(アミーゴ派)と呼ばれる。

 巣鴨派に属する農家の男性は「富良野は昔から『富良野』。東京から来た脚本家が勝手に我が故郷の呼び名を替えようとしている」と憤慨するが、練馬派のペンション経営者は「いまや全国的には『富良野』のほうが通っている。みんなで古い響きとのしがらみを断ち切り、新時代の『富良野』に呼称を統一すべき」と語り、双方の主張は平行線をたどる。一方、アミーゴ派は「まあ、テキーラでも飲んで今夜も楽しもうぜ」と、巣鴨派と練馬派の対立を高みから見物する方針だ。

 しかし、富良野と関係の深かったデベロッパーが弱体化し、富良野を舞台にしたテレビドラマも一段落したいま、まちの今後に不安を抱いているのはどの派も一緒。まちの将来像を聞かれたときの「富良野」は、3派そろって語尾が上がり、疑問符がつくのが現実だ。

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