北京五輪、意外な「リアリティ」

 北京五輪組織委員会は14日、競泳競技の中継でテレビに映し出される世界記録のラインが、コンピューターによる合成映像(CG)ではなく、実際にプールの下で移動している長い板であることを認めた。北京五輪の中継に関しては開会式の花火がCGだったことや、革命歌曲を歌ったかわいらしい少女が実は「口パク」だったことが議論を呼んでいるが、意外なところで「リアリズム」が追求されていたことになる。

 緑色の世界記録ラインは競泳競技の中継で、世界記録のペースを示すために使われている。組織委から世界記録ラインについての説明が事前になかったことからCGと考えられていたが、線が見えていないはずの選手たちから「線に追いつこうとがんばったのが好タイムにつながった」といったコメントが相次いだことから、実際にプールの底でラインが動いているのではないかとの観測が浮上していた。

 この日、「ウォーターキューブ」地下室では、世界記録ラインに連結されたワイヤーを、香港映画の裏方たちが引っ張る様子が公開された。ワイアーの引きを微妙に調整して世界記録のペースを正確に再現するのは、カンフー映画の複雑なワイヤーアクションに比べれば簡単だという。

 選手にも見える世界記録ラインの採用は、スピード社のレーザーレーサー、水流が弱く泳ぎやすいとされるプールと並び、競泳競技の前半戦で世界新が相次いだ理由とみられるが、組織委では、今後の競技では水中にもぐったまま世界記録ラインにつかまって泳いでいる選手がいないかどうか、監視を強化したいとしている。

カテゴリー: スポーツ パーマリンク