「もち」商品の氾濫に歯止め

 農林水産省はもち米を使っていない商品が「もち」という言葉を広告や包装上に用いるのを禁止することを決めた。まぎらわしい表現に歯止めをかけるのがねらい。食品や化粧品の業界は商品イメージの練り直しを迫られそうだ。

 農水省が6月末に行った調査によれば、広告や包装に「もち」と書かれていた商品は2万2487点。「もちもち」「もっちもち」「もっちり」などの類似表現を含めると19万519点に達した。しかし、民間の研究機関に委託してこのうち100点を抽出して分析したところ、原料としてもち米が使われているのは7%だけだった。

 もち米生産農家やもちメーカーが組織する全日本もち連合会によれば、国内のもち消費量は1961年をピークに減少傾向が続く。関係者は「需要減の背景にはもち偽装商品の野放し状態がある」と見る。

 農水省ではもち偽装防止の一方で、原料として実際にもち米を使用したパン、ケーキ、基礎化粧品、人工皮膚などの開発を支援する方針。もち米を使っていない商品については、「もちまがい」「もちもどき」などへの言い換え、書き換えを指導する方針だ。

 農水省が打ち出した規制強化の方針は、幅広い業界に波紋を広げている。「もっちもっちプレーン」が人気商品のベーグル専門店「ラビ」(東京都世田谷区)では、平田昭二社長が弁護士を通じ、「消費者の誤解を招いたとすれば残念。名称を変更するとともに、三方の上に大小2つのベーグルを重ねる陳列方法は早急に見直したい」との声明を発表した。

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