ほかにも「粉飾」 カネボウ上場廃止へ

 東京証券取引所の臨時取締役会は、6月13日付けでカネボウの上場を廃止することを決めた。総額2150億円の粉飾決算に続いて、虚偽の人生観を掲げていたことが明らかになったため。ブランドに再び傷がつくことは必至で、産業再生機構と取引銀行の支援を受けて進められている同社の再建に深刻な影響を与えるとみられている。

 カネボウは1970年代まで「For Beautiful Human Life」というコピーを掲げていたが、粉飾決算が判明したことを受けて経営内容を調査した関東財務局によれば、人間の人生が美しくなる可能性は極めて低く、カネボウの旧経営陣もこれを知っていながら無責任なコピーをマスコミを通じて垂れ流ししていた疑いが濃い。

 カネボウは名門の繊維メーカーだが、いち早く経営多角化に取り組み、最盛期には繊維のほか化粧品、食品、石けん、医薬品などを生産していた。コピー通りの美しい人生を信じてカネボウのガムを食べ、薬を飲み、化粧した消費者も多かったとみられるが、その後ユーザーの人生が多少なりとも美しくなったかどうか、カネボウではまったく検証を行ってこなかった。ある栄養士は「ホームラン軒を食べて幸せになれるというのはまったくの夢物語」と切り捨てる。

 カネボウの当時の経営陣は、「消費者をだますつもりはなかったが、意味がうまく伝わらなかった面はあるかもしれない。最初から意思伝達を放棄した『ダーバン セレゴンスデロムモデアン』を見習うべきだった」とコメントしている。

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