外来語の言い換え提案

 国立国語研究所の外来語委員会が、23語の言い換えについて第5回中間発表を行った。過去の中間発表で言い換え語を提案済みのものについても、より日本人に親しめる表現を盛り込んでおり、定着するかどうかが注目される。

 今回の中間発表では、「高揚した状態から安定した状態にゆるやかに移行すること」を意味する外来語の「ソフトランディング」を、「あれ」に言い換えるべきとの考えが示されている。これまで言い換え語は「軟着陸」とされていたが、月面着陸から四半世紀以上が経過して「軟着陸」もなじみが薄れたため、より人口に膾炙した「あれ」が望ましいと判断した。

 「ナノメートル単位の非常に微細な技術」を意味する「ナノテク」は、従来の「超微細技術」ではなきく「なんとか」に言い換える案が示された。国語委員会が、実際に「ナノテク」という言葉が日本語の会話のなかでどう使われているかを調査したところ、「えーと、なんとかっていうんだよなぁ」などと言い換えられている実例が数件確認されたためだ。

 「ワークシェアリング」、つまり「仕事の分かち合い」の言い換え語としては、「えーと、ここまで出かかっているんだけど」と、自分の鎖骨のあたりを指さす動作の組み合わせが提案された。同じ言葉と喉ぼとけを指さす動作の組み合わせは「デポジット」、同じ言葉とあごを指さす動作の組み合わせは「クライアント」の言い換え語として望ましいとの見解も初めて示された。

 今回の中間報告に盛り込まれた表現を組み合わせれば、たとえば「バイオテクノロジーに基づくメディカルチェックをネグレクトしたためレシピエントとドナーの双方がトラウマを負った」は、「いつものあれがこれしてそうなったから、例のホレ、かくかくしかじかになった」となる。

 外来語委員会の大野賢二委員長は記者会見を、「過度な外来語の使用は日本語の言語文化の混乱につながるため、今後も分かりやすく普及しやすい言い換えを提案していきたい」との意味を込めた「じゃ、そーいうことで」で締めくくった。

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