怒りと悲しみの誕生日

「我々は大人だ! 政府は国民の基本的人権を守れ」 4年ぶりの2月29日、永田町にそんなシュプレヒコールが響いた。デモ隊の参加者は5歳から20歳までの男女数百人。

リーダーの閏歳郎さんは、法的にはこの日で17歳になった。学生服を着ているが、普通の人間の年齢に換算すれば68歳の老人である。額にはしわが寄り、頭には白髪が混ざっている。

「免許を取るのが難しい。就職できない。成人映画は夢のまた夢。高齢者手帳なんて、もらえるわけがない」

2月29日生まれの日本人は推定で約7万人。歳をとるのが普通の人に比べて遅いために不自由な社会生活を強いられているが、その実態はこれまでほとんど知られていなかった。

「弟が大学に合格し、妹が嫁に行ったのに、私はやっと今年小学校に入学」と苦笑する男性はまだ6歳。どう見ても黄色い通学帽が似合わない。

皮肉にも児童福祉法の存在が彼らの自立を妨げている。「就職したら社長が逮捕された。デートの相手は刑務所に入れられ、変態扱いされた」と、8歳の中年少女が窮状を訴える。

ハードルを乗り越えて結婚できたとしても、年上の息子や娘をきちんと教育するのは容易ではないと語る人もいる。

この日のデモの参加者は与野党の国会議員に、閏年以外にも2月29日を設けるよう陳情した。バチカンに代表を派遣し、太陽暦を管理しているグレゴリウス13世にルールの改正を求めることも検討している。

なお、次の2月29日デモは4年後に予定されている。

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