シンナー中毒、解決の切り札登場

 山梨県農業試験場が、シンナーの味しかしないマスクメロンの栽培に成功した。青少年のシンナー乱用を防ぐ切り札になると、全国の教師や警察官の間で期待が高まっている。

 日本に初めてマスクメロンが上陸したのは1960年代の後半。当時は栽培が難しく、一部の高所得者層にしか手に入らない高嶺の花だった。「シンナーに似た匂いがする」との噂が口コミで広まると、上流社会にあこがれる若者が気化したシンナーを吸い込み、幻想の中に慰安を見出すようになった。

 その後、マスクメロンの栽培農家が増え、価格は庶民にも手が届く水準に下がったが、マスクメロンとシンナーの香りには微妙な違いがあり、若者の心の隙間を埋めることはできなかった。教師、警察官による指導や取締りにも効果はなく、多くの若者がシンナーに脳や内臓を蝕まれつづけた。日本中の植物学者や果物農家にとり、純粋なシンナー味のマスクメロン開発が目標になった。

 品種改良は難航した。甘味、深み、芳醇な香りなど、マスクメロンの魅力すべてが障害だった。唯一、効果をあげたのがメロンパン。発売された直後には学校近くのパン屋に不良学生たちが列を作ったものの、まもなくアンパンとは根本的に性質が違うことに気づかれ、ブームも終わった。

 山梨県農業試験場は、長年にわたる試行錯誤を経て、トルエン、酢酸エステル、アルコールを混合した肥料を与えることで、シンナーと同じ味を再現することに成功した。化学肥料や除草剤が嫌われる時代に逆行する挑戦だった。シンナー中毒者100人の協力を得て行われたテスト結果は上々。早くも、本物のシンナー以上に垂涎の的となっているという。

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