米軍、イラク攻撃を開始

 CNNテレビなどが11日夜に伝えたところによると、米のブッシュ大統領は国防総省に対して対イラク軍事行動の開始を命令した。数時間以内にステルス機がサウジアラビアやトルコ領内の基地から飛び立ち、イラクのレーダー拠点を攻撃する模様だ。その後、本格的な爆撃が行われるのは必至の情勢。イラク国内ではフセイン大統領が国営テレビを通じて徹底抗戦を呼びかけており、中東情勢は緊迫の度を増している。

 イラクは7日夜、国連安全保障理事会に大量破壊兵器に関する申告書を提出したばかり。国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)が来週からの検証を予定しているのに対し、米政府では9日から中央情報局(CIA)などの専門家が独自の検証作業を開始した。ワシントンの外交筋によれば、すでにCIAの専門家は申告書に「致命的な欠陥」があるのを発見したという。

 国務省の高官も「100点満点で評価すれば、(申告書の点数は)0点」との厳しい見方を示している。申告書は本体文書だけで1万1807ページに達する膨大なもので、当初、精査には1~2週間の時間が必要とみられていた。米政府が入手直後に態度を硬化させた理由はまだ明らかになっていないが、申告書の書き方についてイラク政府とコンサルタント契約を結んでいた代々木ゼミナールの今西卓講師(小論文担当)は、「解答用紙を机の上に広げたら、まず名前を書くというテストの鉄則を守らなかったのではないか」とみる。

 安保理決議によれば、申告書の内容に虚偽や遺漏があれば、米英はこれを理由にイラクを攻撃できる。しかし、同決議は名前書き忘れという異常事態は想定しておらず、今後の状況によっては、軍事行動に慎重なロシアやフランス、中国が次の週末に追試を実施して平和解決の道を探るべきと主張する可能性もある。

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