学歴低下の判断力低下?

 文部科学省の行った調査で、全国の小中学生の学歴が低下しているかどうかを判断する教師の能力が著しく低下していることがわかった。教育界で繰り広げられてきた学力の変化をめぐる論争の決着がようやくつきそうだ。

 昨年の調査で「食塩水の濃度」に関する問題を正しく解けた小学5年生の比率は23%と、10年前と比べて2ポイント上昇し、文部科学省は「学力低下を裏付けるデータは得られなかった」と発表した。しかしその後、教師を対象に行われた調査で、同じ問題を解ける教師が56%しかいないことがわかった。この比率が10年前と比較して24ポイント低下していること、不正解だった教師の大半が児童の提出した回答用紙をよく見ずに正解にしていたことから、文部科学省では、児童の学力も大幅に低下しているとの見方を強めている。

 今回、同時に行われた調査では、都道府県の教員採用試験担当者の学力も低下傾向にあることが浮き彫りになった。ある県は小学校教員の筆記試験で小学校6年生までで習う漢字とひらがなだけを使うよう義務づけたが、実際には漢字をほとんど書けない受験者だけが合格したという。

 今後、識者の間で「ゆとり教育」の見直しを求める声が強まるのは必至。教育評論家の渡辺みゆき氏は「100人のうちせめて75人、1000人のうち975人、10000人のうち9975人が最低限の学力を身につけ、学力のない人間の比率を25%以下に抑えることが必要」と指摘している。

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