凶悪犯罪の背景に失恋体験

 兇悪犯罪の約4割は、失恋体験が原因との調査結果が話題になっている。交際を拒絶するさいの慎重な言葉選びが、意外な犯罪防止策になりそうだ。

 調査にあたったのは、名古屋大学の橋田静子助教授らのグループ。強盗、殺人、放火などで懲役10年以上の判決を受け、現在服役している受刑者1021人から聞き取り調査を行ったところ、そのうち41%に「とてもいい人だけど、交際はできない」と好きな異性に宣告された経験が複数回あった。

 橋田助教授は、失恋を繰り返すうちに「いい人でいる限り、永遠に恋人を見つけることはできない」との焦りが生じ、兇悪犯罪の引き金になったとみている。1997年には福井県で、軽犯罪法違反容疑で警察署に任意出頭した男性が、出迎えに来た女性に「あなたは本当はいい人。一瞬、魔が差しただけ。でも、おつきあいはできません」と言われて逆上し、より本格的な刑法違反で現行犯逮捕される事件が発生している。

 日本いい人なんだけど連合の谷木茂専務理事は、「いい人のレッテルを背負う男女に日本社会が向ける視線は常に冷たい。いい人でも幸せをつかめるような、社会や政府のサポートが必要なのではないか」と話している。

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