takahashiウイルスの被害広がる

 takahashiと呼ばれる新種のコンピュータ・ウイルスが猛威をふるっている。感染したパソコンは世界中で2000万台以上(推定)。大部分が、本の貸し借りをめぐるトラブルに巻き込まれたかたちだ。

 takahashiはメールソフトのセキュリティーホールを悪用。ウイルスメールを受信したパソコンから、ユーザーが気づかないうちに、受信箱や送信箱にあるアドレスを読みとり、これらのアドレスに大量のウイルスメールを送信する。ファイルを削除したり、パソコンを起動不能にするなどの悪さはしないが、ウイルス本体のほか、以下の内容の「高橋君へ.txt」が添付されている。

「高橋君、ボクの本棚から持っていった『ドカベン』の4巻、早く返してくれないかな。高橋君が突然転校してから25年。どんなに探しても住所や電話番号はわからなかったけど、キミがいま、この文章を読んでいるのはわかっている。ボクはいまでも同じ住所に住んでいるから、すぐに返してくれ。2002年7月末までに返してくれなかったら、秘密をばらすぞ」

 ワクチンソフトのメーカー、トレンドマイクロ社では、「高橋君」のかつての同級生は、「高橋君」がマンガを借りたまま転校して音信不通になり、連絡の手段がないことからウイルスを作ってばらまいたと分析している。

 コンピュータ・セキュリティの専門家の多くは、「高橋君」がまだ『ドカベン』第4巻を持ち主に返却していないとみる。8月に入ってから、takahashi-bと呼ばれる新種のウイルスに感染するパソコンが急増しているからだ。添付されているtakahashi-b.txtにもまた、「高橋君」向けと思われる警告が記録されている。

「あこがれていたユミちゃんに勇気をふりしぼって告白したのに、『アンタって○○○○がすっごく○○っ○だからキライ』と言われて大泣きした高橋君、ボクの本棚から持っていった『ドカベン』の4巻、早く返してくれないかな。ボクはいまでも同じ住所に住んでいる。2002年8月末までに返してくれなかったら、『○○○○がすっごく○○っ○』を次のウイルスに添付してばらすぞ」

 トレンドマイクロ社ではtakahashi-b.txtの内容から、ウイルスの作者が「高橋君」の告白と失恋の一部始終を、廊下で密かに聞いていたとの見方を強めている。同社によれば、takahashiおよびtakahashi-bに対するワクチンソフトの開発はすでに完了しているが、世界で2000万人(推定)の要望を受け入れ、次のウイルス(仮称takahashi-whose-XXXX-is-very-XXxX)が流行するまで公開は見合わせるという。

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