パワー表示、電力業界の訴え認める

 最高裁は30日、日本国内に設置されているインターネットのウェブサイト管理者約4000人に対して、表示内容の変更を命じる判決を下した。早ければ31日にも強制執行が行われる見通しだ。

 ウェブサイトの運営者を相手に裁判を起こしたのは、全国8社の電力会社からなる電力連合会。訴状によれば、被告らが管理するウェブページはトップページに「POWERED BY LINUX」などと表示していたが、LINUXなどはデータを送り出すサーバーの基本ソフトや応用ソフトに過ぎず、いずれのサーバーでも駆動用のパワーは電力会社から供給されていた。このため電力連合会では、「POWERED BY」の後ろに発電所や電力会社以外の名称を付加するのは不当表示の疑いがあると主張、表示の削除や変更を求めていた。

 1998年2月に東京地裁で下された一審判決では原告の主張が認められたものの、東京高裁は昨年1月の二審判決のなかで、1975年に最高裁が示した「コンピュータ、ソフトなければただの箱」との判断を根拠に、ソフトウェアに「POWER」されているとの表現が不当とは言えないとして、原告の訴えを退けた。

 最高裁での審理で、原告側は発電所の故障や落雷などで停電が発生した場合、60%のサイトで即時に機能がまひ、30%でも2日以内に事実上の閉鎖に追い込まれており、ウェブサイトの電力への依存度は極めて大きいと主張した。一方、ウェブサーバー管理者らは、サイトが見られなくなる原因の90%はソフトの不具合やずさんな管理によるもので、停電が原因になることはほとんどないと反論していた。

 電力連合会の関係者は、今回の最高裁判決を歓迎する一方、今後もインターネット利用者に対して、いったい誰のおかげでウェブページを閲覧できると思っているのかと問いかけていきたいと話している。また、インターネットで散見される「パワーアップ」などの表現についても、電圧と電流の積の変化を確認した上で掲載するよう求める方針だ。

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