首相の「ゴルフ問題」に安堵

「関係者には悪いが、ゴルフ場で良かったと思っている」。騒々しい場内放送が聞こえる狭い事務室のなかで、神奈川県内のパチンコ店経営者が、複雑な表情を浮かべた。「ゴルフだったから、最悪でも首相退陣。パチンコなら、即解散総選挙で自民党は壊滅。全国のパチンコ屋には火炎瓶が投げ込まれたかもしれない」

 ハワイ近海で事故が起きたとの連絡を受けたあと、森喜朗首相がゴルフのプレーを続けたことに、野党はもちろん、与党の内部からも厳しい批判の声があがっている。森派幹部の一人も「きれいな空気を胸一杯に吸い込むための山歩きなら、連絡が5年以上とれなくても誰もとがめなかったはず」と悔やむ。

 金持ちの遊びというゴルフのイメージが、野党に格好の攻撃材料を与えたのは確かだ。一方で、ゴルフは最悪の選択肢ではなかったとの評価もある。「もし、両手にたくさんの洗剤やたばこを抱えた森首相が、うれしそうにパチンコ屋から出てきた瞬間、首相番の若い記者に事故へのコメントを求められたら……。想像しただけでぞっとする」(橋本派の若手議員)

 ヒヤリとさせられたのはパチンコ業界の関係者も同じだ。この業界では過去、客が遊んでいる間に駐車場の車に残された子供が死ぬなどの事件が相次いでおり、関係者は「ありがたいけど困ったお客」(前出の経営者)に敏感になっていた。「首相が事故発生後もしばらく遊んでいた」とのニュースを見た瞬間、慌てて駐車場に飛び出し、原潜が浮上していないかどうか確認した店員もいたという。

 パチンコ業界の一部には、遊びに来なかった首相への感謝の意を示すために、首相と友人、側近、家族などを招待して新装開店出血大サービスを行うべきだとの意見もあるが、これをきっかけに首相が休日をパチンコ屋で過ごすことになっては元も子もないことから、ゴルフ場での記念コンペ開催が有力視されている。

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