ここにもあった環境ホルモン

 やんちゃ盛りの男の子が父親に及ぼす精子生成量の抑制効果は、ポリ塩化ジベンゾフランの3倍以上に達する ―― 強力な環境ホルモンが、意外なほど身近なところに存在することが、山形大学医学部の研究グループによって明らかにされた。詳細な研究結果は英の科学誌「ネイチャー」10月号で発表される。

 研究チームのリーダー、本郷秀夫教授によれば、休日出勤で土曜日の深夜まで働いていた30代の父親が、翌朝6時ころ、小学校高学年の息子に耳元で「パパ、今日はつりに行く約束だよ」と叫ばれると、精子の生成量がその後2週間にわたって平均72%減少するという。本郷教授は「もう子どもは絶対に欲しくないという深層心理が、男性ホルモンの分泌量を抑制するためではないか」と分析している。

 母親が子どもに過大な期待を寄せている場合には、作用がとくに著しい。地方公務員の男性、Aさんは長男が生まれたあと、妻からバイオリン、算数、体操、水泳など習いごとのスケジュールと予算がびっしりと書き込まれた表を手渡され、ノイローゼになった。幸い精子量が急減したために、Aさんは二人分の出費を回避することができたという。

 動物実験でも、被験者となった小学生高学年の男の子が、与えられたラット10匹をヨーヨーやミニ四駆などに縛り付けて3時間以内に全部殺してしまい、ラットの精子生成が完全に停止したことが確認された。

 子どもの存在が父親の生理機能にどのようなメカニズムで影響を及ぼすのかも、次第に明らかになってきた。銀行員の男性、Bさんは身長198センチの息子に小遣いをせびられ、断ったところ急所を思い切り蹴られた。医師に「子供を作ったあとで良かったですね」と慰められたBさんは、息子を世界最大の環境ホルモンに認定するよう、ギネスブックに申請することにしている。

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