4月2日の人声天語

 高校ではアメリカン・フットボール部の花形クォーター・バック。好きなミュージシャンはスティービー・ワンダー。こんなありふれた「告白」が世界中を驚かせたことは、未だかつてなかったはずだ。

 世界最大のソフトウェア・ベンダー、マイクロソフトのビル・ゲイツ会長がこのほど発表した著書、”The Road Behind”(邦題は『ビル・ゲイツ、過去を語る』)がいま、話題を呼んでいる。ゲイツ氏お得意の未来社会のビジョンではなく、これまで謎に包まれていたゲイツ氏の少年・青年時代の回顧がほとんどのページを占める。

「どんなに優れた製品でも、こんがり日焼けした筋肉モリモリの男が売りにくれば、興味を示さない。ソフトウェア産業とは、そういう世界だ」。BASICのセールス失敗後、ゲイツ氏はそう悟り、次の日からわざと冴えないルックスで顧客やマスコミの前に現れるようになった。ゲイツ氏の判断が正しかったことは、マイクロソフトの昨年6月期の売上高、113億ドルが証明している。

 これほど嫌われる大企業の経営者も珍しい。しかし、少なくともシェアから判断すれば、マイクロソフトの製品は嫌われていない。仮に、ゲイツ氏がハンサムで、ヘルシーで、マッチョで、しかもファンキーな男だったら、業界関係者はコンプレックスを感じ、マイクロソフトの製品に対しては無関心を装ったのではないか。

 ちなみに、ゲイツ氏自身の言葉を借りれば、成功の秘訣は新興企業の買収でもなく、なにふり構わぬシェア拡大でもなく、「皮膚脱色薬を飲んで白人に変身すること」だそうだ。

NIFTY-SERVE FCOMEDYS 第7回嘘競演参加作品 お題『ビル・ゲイツ』

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