株主総会最前線

 総会屋グループへの不正な利益供与の疑いが注目を集めている三菱電機で、ここ数年の間に株主総会の時間が急速に短くなっていたことがわかった。経営陣に不利な質問が出るのを防ぐのが目的だったとみられている。

 1990年代前半、2時間以上がかかっていた同社の株主総会は、95年に1時間2分、96年には3分21秒に短縮され、今年はわずか80ナノ秒(1ナノ秒は10億分の1秒)。人類が参加する会議の極限と言われた100ナノ秒の壁を、初めて破った。

 ブレークスルーを可能にしたのは、三菱電機半導体事業部が社長の特命を受け開発した超高密度座席実装技術。日本の上場企業では70センチが平均的な水準とされていた一般株主席の間隔を、0.35ミクロンまで短縮した。1センチ四方の会場でも8億人が入場でき、業績や経営方針の説明を、従来よりも短時間のうちに株主に伝えられるようになった。

 今年5月に開催された株主総会では、「与党総会屋」と敵対関係にあった小柄な総会屋が「三菱電機が、不当に高い利用料を海の家に払っているとの噂があるがどうか。我々には事実を知る権利がある」と経営陣に早口で質問したが、120ナノ秒がかかったため、議事は滞りなく進行した。

 総会担当の重役は事情聴取に対し、「そんな総会があったような、なかったような……」といったあいまいな供述を繰り返している。サブリミナル効果を通じた事実関係の解明が、今後の捜査の焦点になりそうだ。

カテゴリー: IT パーマリンク