業界が要望、「うまみ」の形容詞

 日本うまみ調味料普及協議会の代表が11日、文部科学省国語審議会を訪れ、うまみを表す新しい形容詞の導入を求める要望書を提出した。「甘い」「辛い」といった味覚との不公平感解消という業界の願いが実現するかどうかが関心を集めている。

 日本人化学者が1907年にグルタミン酸を発見してから、「うまみ」が甘い、しょっぱい、苦い、酸っぱいと並ぶ基本的な味の一つであることは広く認識されているが、他の4つの味に形容詞が存在するのに対し、「うまみ」だけは形容詞が存在しなかった。グルタミン酸の発見の時点で、「うまい」が美味であることを意味する一般的な形容詞として占有されていたためだ。

 このため、テレビ番組のグルメレポートの際に「甘い」「酸っぱい」といった形容詞を使ったストレートな表現が頻出するのに対し、うまみだけは「これはうまみが濃厚ですね」といった冗長な言い回しが使われることが多い。「甘いケーキ、辛い韓国料理、酸っぱいレモンなどと比較して、うまみをたっぷりと含んだ昆布が今ひとつ目立たないのは、味覚が形容詞ではなく、名詞で表現されているため」と、協議会の高橋和広常務理事は指摘する。

 うま味調味料は1970年代まで「化学調味料」と呼ばれており、当時は一部で業界関係者の間で「けみかるい」との形容詞が使用されていたものの、普及する前に社会の自然志向が強まり、業界主導で化学調味料がうま味調味料と呼ばれるようになった結果、「けみかるい」はほぼ消滅した。いまでは粉末ジュース愛好家の間で細々と使われるのみだ。

 一部で浮上しているのは、「美味しい」を意味する「うまい」を「あまい」で言い換え、「うまい」の意味を「豊富なうまみを含んでいる」に限定するとの案。すでにテレビやSNSでは「この天然ホタテ、あまいですね」、「老舗の小籠包だけあって、こってりしているだけでなく、ほんのりとあまい」、「この高級ポテトチップス、とってもあまい」といった広義の表現が目立っており、協議会関係者は早期の形容詞化に期待を寄せるが、日本甘味料工業会など業界団体の猛反発は必至だ。

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