3Dテレビ、近代化産業遺産に申請

 千葉県市川市に住む森川寿夫さんが、個人所有する3Dテレビを近代化産業遺産に登録するよう、経済産業省に申請した。このテレビは2010年製で、認められれば最新鋭の近代化産業遺産となる。

 3Dテレビは国内家電メーカーが2010年頃相次いで市場に投入した。韓国、中国などのメーカーの攻勢に苦戦していた国内家電各社は、3Dテレビで巻き返しを図る考えだったが、専用メガネが煩わしいこと、3D対応のコンテンツが貧弱なことが影響して需要は低迷。国内メーカーはいずれも昨年までに生産を終了し、業界の関心はすでに4K/8Kテレビに移っている。

 森川さんは2010年夏に近所の家電量販店でパナソニック製50インチ3Dテレビを購入。当初は物珍しさから親戚や友人など多くの人が見に来たが、彼らや森川さんが期待していた大相撲中継や時代劇の3D化が実現せず、人気はすぐ下火に。翌年から森川さんは外出時、専用メガネをサングラス代わりに使用している。

 森川さんは近代化産業遺産認定の申請について、「忘れられてから長い時間が経ち、遺産の資格は充分なはず」と語る。認定されれば他の遺産と同様、観光客が森川さん宅のリビングにバスで押しかけるのは確実。「3Dカレーや3Dやきそばも開発して、3Dテレビの分まで経済効果を広げたい」と、森川さんは早くも認定後を見据えている。

 メーカーのパナソニックの関係者は、(すでに近代化産業遺産に認定されている)「二股ソケットだけでいい」と語り、森川さんの提出した申請に対しては静観の構えだ。

カテゴリー: 歴史 パーマリンク