源氏物語「雲隠」発見の期待高まる

 日本古典文学会(会長:菱川勝京都大学名誉教授)は5日、源氏物語のうち本文が現代に伝わっていない「雲隠」について、コンピュータ・システムに何らかの情報が残っていないか調査するよう求める要望書を文部科学省に提出した。

 源氏物語は54帖から構成されているが、このうち第41帖の「雲隠」は表題こそ現代に伝わっているものの、その本文は早くに失われた。古来、貴族や国文学者が捜索を続けてきたが、有力な手がかりは見つかっていない。

 公文書の保管をめぐる一連の不祥事を受けて、日本古典文学会では発見の可能性がかつてないほどに高まっていると判断。文科省への要望書を決めた。「日本が世界に誇る源氏物語の唯一の欠落が『雲隠』。内容が素晴らしいものであることは疑いなく、いまから発見を楽しみにしてる」と、菱川会長は語る。

 要望書を受け取った林芳正文科相は「省内で該当文書があるかどうか調べたが、見つからなかった」と説明。有識者の間では、文科省職員個人が管理しているフォルダで「雲隠」で発見されるとの期待が俄然高まっている。情報公開請求を行うべきとの声もあるが、黒塗りで開示されれば内容が永久に失われることから、学会では今後、慎重に検討を行う方針だ。

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