日本の襖文化を米国・メキシコの国境地帯に輸出

 日本和室建具普及活動連絡協議会(和普協)は、近く襖(ふすま)職人などをアメリカとメキシコの国境地帯に派遣することを決めた。現地で「国境の襖」設置を両国政府に働きかけていく方針だ。

 昨年の選挙中からメキシコとの国境に「壁」を設置して不正移民の流入を防ぎ、その費用をメキシコ政府に支払わせると主張してきたトランプ大統領は、当選後も同じ主張を繰り返し、二国間の関係を緊張させている。メキシコ政府首脳はそろって壁の建設や費用負担を拒否しており、トランプ大統領の公約の目玉のひとつである「壁」建設は早くも暗礁に乗り上げたかたちだ。

 和普協の田中三信事務局長は「長い国境を壁でふさぐのは現実的でないが、源氏物語にも登場する日本古来の襖なら十分に可能。設置コストは鉄筋コンクリート製の壁の20分の1から15分の1で済む」と指摘する。国境に近いメキシコ北部では、襖の設置を警戒する声も強まっているが、「簡単に開け閉めできるのが襖の利点。人やモノの往来を阻害することはない」(田中事務局長)

 2月上旬には和普協に所属する大工、襖職人、リフォームプランナーなど十数人がメキシコ側から国境地帯に入る予定。同行するマナー講師は、「膝をついて座り、5センチほど襖を開けてアメリカ側に声をかけ、通るのに必要な大きさだけ襖を開いてから密入国し、再び膝をついてからそっと襖を閉じるまでの所作を、メキシコの皆さんに教えたい」と張り切っている。

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