三菱自動車、「ベストエフォート方式」で燃費算出

 三菱自動車が生産した軽自動車について、いくつもの理想の条件が奇跡的にそろった場合の「ベストエフォート方式」をもとに燃費を算出した上でカタログに掲載し、国土交通省や、OEM供給先の日産自動車にも報告していたことが明らかになった。ずさんな手法に対して今後反発が広がるのは必至だ。

 産業界の専門家によれば、ベストエフォートはネット・インフラ分野だけで用いられている異常な方法。燃費もメーカーによる算出値や研究施設内での測定値と、日常運転での実測値の間にはズレがあるのが一般的だが、「ネット業界の公称値と実測値の間ほどの格差があれば、すぐに訴えられるはず」と、大手メーカーの法務担当者は語る。

 三菱自動車の役員によれば、燃費算出を統括している部長は不正の直前、「サクサクダウンロードでストレス無し」の宣伝に魅力を感じて格安光ファイバーを自宅に引いた。しかし同時期に多数の申し込みが殺到したためか、実際の使用感はそれまで使用していたADSL回線と大差なかった。電話でクレームを入れたところ、カスタマーサービスの説明は「ベストエフォート方式ですから」の一点張り。「同じ手法をうちの会社でも使えないか」とのひらめきが、今回の一大スキャンダルのきっかけになった。

 今後、三菱自動車が問題の車種の買い取りをユーザーや販売店から求められるのは確実な情勢。同社では「可能な限りお客様のご要望に応えたい」としているが、総額数千億円とも言われる買い戻しのための資金は調達のメドが立っておらず、業界関係者の間では「実勢1台10万円程度のベストエフォート価格による買い戻しになるのでは」との見方が強まっている。

カテゴリー: 経済 パーマリンク