カラス除けCD、初のダブルミリオン

 昨年秋に発売された世界初のカラス除け専用CDが日本国内でも好調に売り上げを伸ばし、1月末までに初めてダブルミリオン(200万枚)を突破した。音楽CDは不況が続いており、業界の主流はすでに害鳥・害獣対策に移ったとの見方が強まっている。

 日本モンサントの子会社が発売したカラス除け専用CDは、非円形のデザインが特徴。風に吹かれると複雑な動きを見せ、風切音も不規則であることから、従来の音楽CDよりも強い威嚇効果を発揮する。記録媒体としての活用をあきらめ、販路もHMVやツタヤといった従来の音楽ソフト販売店ではなく、JA系の農業資材販売店やホームセンターを主力としたことが奏功した。

 音楽ソフト媒体として1982年に発売されたCDは、その後コンピュータ用のデータ記録に用途を広げたものの、ネットを利用したコンテンツ配信が一般的になり、近年は需要が縮小傾向にあった。代わって注目されるようになったのがカラスをはじめとする害鳥駆除の効果。昨年の国内市場におけるCD売上の39%が音楽用、9%がデータ用だったのに対し、害鳥駆除用は52%と、初めて半数以上を占めた。

 ネット配信サービスの値下がりで音楽CDの売上は今後も減少傾向が続くとみられ、CD業界では害鳥・害獣対策需要への注目度がさらに高まっている。ソニー・ミュージックは今春にも猫よけCDを、テイチク・エンタテイメントは漁業被害が拡大する夏までにトド除けCDをそれぞれ発売する予定だ。

 しかし、カラスやネコ、トドが音楽CD業界の救世主になるとは限らない。米グーグルでは畑や住宅地のごみ捨て場、漁場を無人カメラと人工知能で監視し、遠隔操作のスピーカーや無人車両でこれらの動物を威嚇するシステムを開発中。今後の成果次第で、CD市場が根こそぎ駆除されるおそれもある。

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