青少年の半数以上「昭和は架空の時代設定」

 総務省が青少年を対象に行ったアンケート調査で、「昭和は架空の時代設定」と答えた青少年の比率が初めて5割を上回ったことが明らかになった。平成生まれの比率が高まるにつれて、この傾向は今後さらに強まりそうだ。

 総務省では今年8月、18〜28歳の青少年6771人に「昭和は現実にあった時代ですか? 架空の時代設定ですか?」と尋ねた。「現実」と答えた人が42%だったのに対し、「架空」と答えた人は53%。「学習ノートのメーカー」は5%だった。この調査は平成元年から行われており、当初はほぼ100%の人が「現実」と答えていたが、平成生まれの人が増えるにつれて傾向に変化が生じ、2008年に「架空」が初めて40%を超えた。

 昭和が現実味を喪失した要因として注目されているのが、昭和末期の特異な文化やモノだ。アンケートの解答用紙には、青少年たちが抱く数々の疑問が並ぶ。

 「父親にポケットベルがいかに便利だったか懇々と説明されたが、これほどまでに不便な機械があるのかと思った。実在したとは到底信じられない」(23歳看護師)

 「オールナイトフジというテレビ番組を懐古するブログを読んだが、どう考えても成立する余地がない。こうした昭和期のバラエティ番組、ドラマ、アニメなどの魅力をことさらに強調する媒体が多いことに不自然さを感じる」(25歳大学院生)

 昭和33年に生まれた上智大学経済学部教授の東野実雄氏は、職場における昭和世代の「語り」が若年層の昭和観に影響を与えているとみる。

 「50代以上の管理職は、口を開けば高度経済成長やバブル期に自分がどれほど業績を伸ばしたかの自慢話ばかり。現在の企業の業績は当時とは根本的に異なることから、若手社員は『全部作り話じゃねえか?』と疑い始めている」

 総務省では、29歳以上の人も対象に同様の調査を行った。昭和は実際にあった時代と8割以上の人が考えているが、一方で「自信がない」と答えた人の比率が過去最高の8%に達した。とくに高度経済成長期を記憶する人にその傾向が強いという。

 「交際費が上限なしで経費として認められる国が、この地球上に存在したとは思えない」

 52歳の会社役員が語るこうした見方に、ベテランの公認会計士や税理士の一部が同調しはじめている。

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