傾斜マンション、奇妙な現象で問題発覚

 横浜市内で建設された大型マンションの一部の棟で、決められた手順に沿った基礎工事が行われていなかったことが明らかになり、住民の間に不安が広がっている。

 「手抜き」発覚のきっかけとなったのは、住民が目の当たりにした奇妙な現象だった。問題の棟の4階に住むAさん夫妻は寝室に並べたツインベッドで寝ているが、朝になると2人とも床に落ちた状態で目覚めることが多かった。「それまで寝相が悪いほうではなかったのに、転居してから落ちるようになったんです。しかも落ちる方向は夫婦ともに一定。気味が悪いと思っていました」

 Aさん夫妻の上の部屋に住むBさんは、食卓上で発生する奇妙な現象について証言する。「ボーナスが出ると妻がすき焼を作ってくれるのですが、鍋の中を覗き込んでも、私に近いほうは底が見えている状態。高級牛肉もしらたきも豆腐も、すべて妻のほうに偏っていたんです。まあ、妻が気を遣ってくれたので、なんとかねぎは食べられたのですが…」

 他にも「朝の食卓に載せた味噌汁のお碗が猛スピードでスライドする」「夫婦関係はすっかり冷え切ってしまったはずなのに、気が付けばソファで密着した状態で隣り合わせ」といった、水平な家なら起こり得ない現象が数多くマンション管理委員会で報告され、建設会社による調査の結果、基礎工事を担当した業者による手抜きが明らかになった。

 部屋の傾きのために、近所との関係がすっかりこじれてしまった家族もいる。6階に暮らすCさん一家は、その暮らしぶりを窓を通して目撃した他の棟の住民たちから、「家の中でいつも坂道パントマイムの練習をしている愉快な一家」とのレッテルを貼られてしまった。「ただ家の中で無言のまま歩き回っていただけなのに、芸達者と思われるのは心外だ」と、Cさんは怒りを露わにする。

 思わぬ影響に困惑するのは、昭和の雰囲気を漂わせる東京・浅草の遊園地「花やしき」だ。アトラクションのひとつ「ビックリハウス」の異常な傾きに驚いた人が、東京都都市整備局に駆け込み、建築基準法違反の疑いで告発するケースが後を絶たないという。

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