国立大学、国歌斉唱で予算確保

 文部科学省が全国に86校ある国立大学に、入学式や卒業式などの公式行事で国歌を斉唱するよう要請した問題に関して、国立大学側では斉唱に前向きな反応が目立つ。憲法が定めた学問の自由を侵害するとの指摘があるが、少子高齢化でどの大学も収支状況は厳しく、背に腹は代えられないというのが本音のようだ。

 従来、国歌斉唱に慎重な大学が多いとみられていたが、ここに来て積極的な大学が増えたのは、文科省が水面下で、要請を断れば科学研究費や補助金の配分で不利になると大学側に示唆したため。十分な資金が確保できなければ研究の質を維持できず、優秀な学生も集まらないことから、要請には従わざるを得ないとの空気が急速に広がった。

 一歩踏み込む大学も目立つ。首都圏のある大学の事務局関係者は、「入学式や卒業式はもちろんのこと、前期末の終業式、後期始めの始業式、寮祭や学生が参加するコンパ、学園祭の恒例行事である『フィーリングカップル5vs5』でも国歌を斉唱することで、回数を稼ぎたい」との考えを示す。関西圏の某大学の学部長は、「ほかの大学はワンコーラスだけだろうが、本学はスリーコーラスくらいなら平気。3倍程度の重点配分に期待している」と語る。

 しかし、歌詞の構成がシンプルな君が代は、長時間の斉唱には適していない。多額の研究資金を必要としている理系の大学の間では、天地開闢から神武天皇に至るまでの歩みを十三章に分けてたどる新しい歌詞を模索する動きもあるが、文科省は「何にもないような大学生活が幸せだったと思う学生ばかりが増える」として禁止する方針だ。

カテゴリー: 教育 パーマリンク