4種類の「制限ダイエット」、効果に差なし

 糖質制限ダイエット、脂質制限ダイエット、タンパク質制限ダイエット、タングステン鋼制限ダイエットの効果を比較した実験で、これら4種類の減量法の違いに有意な差はみられなかったと、宇都宮生命科学大学院大学の研究チームが発表した。

 大牟田玲准教授をリーダーとする研究チームは昨年春、1008人の被験者を4グループに分け、▽コメや小麦粉、砂糖などの糖質、▽肉の脂身などの脂質、▽肉の赤身や豆腐、納豆などのタンパク質、▽そして金属加工用の刃物、切削工具などに用いられるタングステン鋼について、毎日の摂取量を日本人の平均的な水準の10分の1の程度まで抑制するよう1年にわたり指導した。制限されていない他の栄養素を通常よりも多く取り入れることで、総摂取カロリーは維持した。

 今年の春まで行われた実験の結果、1年間の体重の減少幅は、糖質を制限された人が12.1%、脂質を制限された人が12.3%、タンパク質を制限された人が11.9%、タングステン鋼を制限された人が12.2%だった。

 「糖質、脂質、タンパク質を制限された人は、最初の3~4か月間は熱心にダイエットに取り組んで顕著な効果を上げるものの、そのうちに我慢がきかなくなり、ダイエット開始前以上に一時的に制限されていた栄養素を過剰摂取してリバウンドする傾向が目立った。タングステン鋼を制限された人は、事実上、それまでの食生活を維持できたので、総カロリーにさえ注意すれば、健康を保ったまま少しずつ痩せていく人がほとんどだった」と、大牟田准教授は指摘する。栄養素よりも総カロリーが減量の成否のカギを握っていることを改めて浮き彫りにした今回の実験結果は、減量法をめぐる論争に一石を投じそうだ。

 テレビのワイドショーや週刊誌などは早速タングステン鋼制限ダイエットを大々的に取り上げているが、1年間にわたり「タングステン鋼だけは食べるな」と言われ続けてきた被験者の一部が、実験終了の直後に高速度工具鋼にかぶりついて歯を折る被害も出ており、歯科医からは「専門家のアドバイスなしで安易に挑戦するのは危険」との声も出ている。

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