ランチも食べられる純喫茶、鳥取県に初上陸

JR鳥取駅近くの純喫茶「ブルーマウンテン」が、メニューにランチを加えることを決めた。47都道府県のなかで最後まで「ランチを食べられる純喫茶」が存在しなかった鳥取県が、ついに陥落することになる。

「ブルーマウンテン」を58年前に創業したのは青山三郎さん(78)。開店当初から「豆にとことんこだわった店」として人気を集め、市内はもちろん噂を聞きつけた中国地方各地からコーヒー好きが集まった。息子の弘樹さん(54)が店を継いだのは18年前のこと。弘樹さんは、味と香りにはいまも自信があると胸を張るが、この間、緩やかながら店の売り上げは減り続けている。

「事情はどの店も同じだ。休憩や商談に喫茶店を利用する人が減少しているうえ、イメージ戦略が巧みな米系チェーンに客を奪われている」と指摘するのは、日本純喫茶協会の大神義男シニアアナリスト。「飲み物だけに頼ったスタイルを維持するのは非常に困難だ」

同協会によれば、国内でフードメニューを導入した純喫茶は静岡市の「コスモス」(1998年)が最初。その後、急速に増加し、今年7月末の時点で全国46の都道府県で3297店に達している。唯一、純喫茶の「純潔」が守られていたのが鳥取県だった。

「最後の砦であることは意識していたが、生き残るためには仕方がない。栄養士として病院に勤務する妻から親子丼やポークカレーの作り方をいま教わっており、来年春までにフードメニューを導入したい」(弘樹さん)

なお、弘樹さんは「グレインブレッド バジルチキン&アボカドシュリンプサンドイッチ」、「Coffee & Espresso ケーキ カフェ モカ」、「きのこ&モッツァレラタルティーヌ」などのメニューにも挑戦する方針だったが、試作の結果あきらめたという。

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