文献の不正引用、1000年以上前から?

文化庁が行った調査で、現代まで伝えられてきた中世以前の文献の7割以上が、不適切な複写行為によって作成されていたことが明らかになった。文化界で千年以上にわたって「コピぺ」が重要な役割を果たしていたことに、関係者は強い衝撃を受けている。

文化庁では、世界的に注目を集めた学術論文に他の論文などからの不適切な引用があったことを重くみて、歴史的な文献についてコピペの実態を調査していた。調査結果によれば、平安時代またはそれ以前にさかのぼる古文書687件のうち、作者自身の親筆は3件だけ。残りは全て写本だった。

日本古典文学の金字塔である「源氏物語」についても、著者の紫式部の親筆によるものはひとつもなく、すべて毛筆によるコピペだった。文化庁の幹部は「複製を行った人物が事前に紫式部の了承を得ていたとは考えにくい」と事態を深刻に受け止めている。

ほとんどのケースではコピぺの底本としてコピぺが用いられるなど、不正な引用は「野放し状態」であり、オリジナルの作者が不詳となる深刻な事例もあった。コピぺは文献だけにとどまらず、身元不明の騎馬武者の絵を足利尊氏の肖像画として教科書に掲載するというずさんな流用の事例も明らかになった。

コピペの悪習は近世以降も続いており、俳句の専門家は、松尾芭蕉作とも伝えられる「松島やああ松島や松島や」に登場する最初と2番目の「松島」が、3番目の「松島」を剽窃したものではないかとの見方を強めている。

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