男、女、etc

もう10年近くも昔のこと、大学2年の夏休みに、アルデバランの第3惑星、トンネラギルに行った。トンネラギル星人の外観は人間とほとんど同じで、朝は電車に揺られて会社に行くし、夜は家でテレビを観る。違うのは、人間には男と女しかいないが、トンネラギル星人には男、女のほか、43種類もの性があるということだ。

ある夜、トンネラギル最大の街、ネスネラギロンの東駅の構内で、男と女が別れを惜しんでいた。男はネスネラギロンを離れ、遠い街へと向かうらしい。発車のベルが鳴った。男が女の耳元でなにか囁いた。泣き崩れる女。男は次に、女の後ろに並んでいた第3性の手を握った。列車が動きだす。追いかける第3性。男は何か叫んだ。第3性は泣き崩れながら、ランニング姿の第4性にバトンタッチした。いまごろ、第5性は北ネスネラギロン駅で入念に準備運動しているに違いない。第6性はそろそろ新ネスネラギロン駅についたはずだ。こんな風だから、トンネラギル人はマラソンは苦手だが、駅伝になるとめっぽう強いのである。

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